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 今日は金髪鼻ピアスが店員だった。 「よう、ゆな・りな。今日はおにぎりが全品税込み100円だぞ」 「本当!? 今日はね、ママがお金くれなくて。300円しかないの。じゃあ、3個買えるね」  あたしはそう言って笑ったけど、ふと、嫌な予感が過った。 「だけど、明日の朝もくれなかったら、お腹が空くな……。明日の夜もくれなかったらどうしよう……」 「はっ? おい、由菜、それマジな話?」  金髪が目を丸くして、しゃがんで俯いたあたしの顔を覗き込んだ。 「えっ? 何が?」 「だから、マジでおまえらの母ちゃんって、金だけ渡しておまえらに勝手に買い物させてんのか? んで、金さえくれねえかもしんねえの?」  なんだか怖い顔をしている金髪にあたしは言葉が出なくなって、ただ頷いた。 「あのね、お兄ちゃん。お姉ちゃん、さっき叩かれたんだよ。ほっぺ。ほら、まだ痛そうでしょ? お金頂戴って言っただけなのに」  里菜があたしの叩かれた頬をさすりながら泣きそうな顔をした。 「そっか。じゃ、今日はいいもんやるよ」  そう言うと、金髪はコンビニの裏に行って、おにぎりやパンをいくつか持って来た。 「これ、賞味期限ってもんが切れそうで売るのを止めた商品。食べても腹壊すレベルじゃねえし、これは金いらねえから」 「……もらえるの?」 「おう。金がない時はそういうのやるから、遠慮なく言えよ」 「ありがとう、お兄ちゃん!」  あたしは嬉しくて金髪の首に抱きついた。とりあえず、里菜が泣かずに済むし、あたしも空腹が減る。それだけが今はとっても嬉しかった。
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