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「やらないわよ!!」
ママがすごい剣幕で怒鳴った。
「私が何のために、酔っ払いの相手して、飲めないお酒飲んで働いていると思ってんの? この子たちを育てるためじゃない。そりゃあ、毎日疲れていて何もしてあげてないかもしれないし、今日はお金も渡さないとかやりすぎたかもしれない。だけど、ちょっと食べないくらい死なないでしょ。お金稼げないと死ぬのよ。高校に行けないとか、高校の上の学校に行けないとか、そんな狭い人生を歩ませたくないの。結局は誰かの世話になっているあんた達に何が分かるのよ!!」
ママが真っ赤になって怒鳴りながら泣いていた。
いつもいつも疲れているけど、それでも、ママはあたしたちの為に働いていたのだろうか……。
「女手一つで育てるのが大変なのは知っているよ。だけど、ゆな・りなだって人形じゃない。あんたがこれくらい大丈夫って思っても、あんたに怒られることに怯えているし、あんたが金を置いて行かないんじゃないかと不安になっている」
赤髪がそう言うと、背中に張り付いていたあたしをママの前に立たせた。
「自分で娘の顔をよく見ろよ。あんたの顔見て笑えなくなってんだろ?」
目の前にママの怒ったような泣き顔がある。あたしはただママの顔を見ていた。
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