プロローグ

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 昔から、パパとママはよく喧嘩をしていた。  ある日、パパが家に帰って来なくなって、ママは夜にお仕事をするようになった。  酔っぱらって帰って来ると、午後まで眠って、そしてまた夕方からお仕事へ行く。そんな生活のママ。  あたしたち姉妹は放っておかれていた。 「ごめん、由菜。これで何か買って食べて」  そう言って千円札をまだ小学校1年生のあたしに渡す。  そして、綺麗にお化粧した顔で出て行ってしまう。 「お姉ちゃん、お腹すいた」  お金を受け取ったのを見て、2つ年下の妹の里菜が寄って来た。 「そうだね。何か買いに行こうか」  本当は日が暮れたら外に出てはいけないと言われているけど、空腹には耐えられずにあたし達は戸締りだけは確認して外へ出た。
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