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 マンションから出ると、目の前にある大通りを渡ったところにコンビニがある。  普段は昼間に行くのだけど、今日は夜までお金を貰えなかったから、暗い中少し怖かったけど、横断歩道を渡ってコンビニまで行った。  コンビニの前には、男の人たちが何人かしゃがみ込んで煙草を吸っていた。  あたし達の姿を見ると、目つきの鋭い赤髪の男が「おいっ」と言って仲間に目配せした。  何か恐い思いをするのかとビクッとすると、男の人たちは煙草をあたし達から避けるように持って、コンビニの中に入るまで手の中に隠していた。  なんだ、煙草の煙を避けてくれたんだ……。  恐そうなお兄さんたちだと思ったけど、いい人たちなのかもしれない。 「お姉ちゃん、里菜プリンが食べたい! プリンは買える?」  コンビニに入ると、里菜がはしゃいで聞いたけど、千円で何が買えるのか、あたしはきちんと計算をしなければいけなかった。 「待ってね、里菜。明日だってお母さんはお金をいつくれるか分からないんだから、大切に使わないとね」 「じゃあ里菜、今日のお夕食はプリンにする」 「ダメだよ。プリンなんかじゃすぐにお腹空くんだから」  とりあえず、あたしは2人で食べられそうなお弁当を1つと、明日のためにパンをいくつかカゴの中に入れた。 「明日もお金を貰えたら、明日プリンを買おうね」  そう里菜に言い含めて、レジへカゴを持って行った。
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