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「おまえら、2人だけで来たのか?」  レジのお兄さんは金髪で、鼻にキラキラしたピアスをしている。  里菜が恐がって私の背中に張り付いたけど、この人はコンビニの店員さんだし、外にいた恐そうだったお兄さんたちも恐くなかったし、私はにっこり笑って「うん、2人で来たの」と頷いた。 「家は近いのか?」 「あのね、そこの横断歩道を渡ってすぐのマンションなの」 「そっか、おつかい偉いな」  そう言って笑うと、鋭い目つきも優しくなった。 「おーい、おまえら」  ふいに店員の金髪お兄さんが外で煙草を吸っている人たちを呼んだ。  友達のようだ。 「こいつら、ガキ2人だけで来たんだと。マンションの下まで送ってやれ」 「へーい。んじゃ、俺行ってくるわ」  さっきの赤髪の男が煙草の火を消して立ち上がった。  もう1人、黒髪にグリーンのメッシュが混じった、夜なのにサングラスをかけた長身の人も立ち上がって、無言で赤髪の後ろを歩いた。
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