18人が本棚に入れています
本棚に追加
里菜は相変わらず私の腕にしがみ付いて恐がっていたけど、あたしは全然恐くなくなって、「お兄ちゃんたち、あのコンビニのお兄さんのお友達なの?」と聞いた。
「おう、後輩だけどな」
「そうなんだ。お兄ちゃんたち、高校生なの?」
「学校の後輩じゃねえけどな」
赤髪は明るくゲラゲラと笑う人だった。
ママがいない夜はいつも2人だけで寂しかったから、ほんの少しの時間だったけど、知らないお兄さんと話が出来て楽しかった。
「送ってくれてありがとう、お兄ちゃんたち」
あたしが促すと里菜もぺこりとお辞儀をした。
「家に帰ると、母ちゃんいるんだろ? 次は親と一緒に出るようにな」
赤髪があたしの頭をくしゃくしゃっとして笑った。緑メッシュの方も、無言だったけど最後は少しだけ笑って手を振ってくれた。
「恐いと思ったけど、優しいお兄ちゃんたちだったね」
家に入ると、里菜がホッとしたように笑った。
最初のコメントを投稿しよう!