尚美、シュナイザー城の中へ...

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尚美、シュナイザー城の中へ...

トランペットの演奏が急に始まる。 「えっ、なに?大勢の人達が私に注目してる」 家来達が一斉に尚美に向かって膝まづき、男女のメイドも尚美に注目している。 まるで、当時のシュナイザー城に住んでる人達を再現してるみたいだ。服装も映画に出てきそうな王子様の格好というかタイムスリップしたような感覚に襲われる。 1人の男性が近づいてくる。 「尚美お嬢様、ようこそシュナイザー城へお越し下さいました。ここのお城でお寛ぎ下さいませ。私は執事のダニエルでございます」 「ダニエルさん?どういうことですか?私、明日日本に帰るのですが」 「日本??でごさいますか?そのような国は存じあげませんが」 本当に、その当時のヨーロッパに来てしまったようだ。尚美はふと思う。 私は、シュナイザー城を見学して出口を1歩出ただけなのに。他の観光客はいないし、どうなってるの?一体。とてつもない不安が押し寄せる。 周りを見ても鉄仮面を被った強そうな人達が見張ってるし、これじゃ投げられそうもないと思った。 「尚美お嬢様」 「はい」 尚美お嬢様だって!かなりいい気分だなあ?? 「お召し物ですが、そのような格好ではアレクサンダー王子に失礼になりますので着替えましよう」 チェック柄の長袖シャツにジーンズというラフな格好をしている。 「えっ、あのう私王子様に会うのですか?アレクサンダーさん?」 「はい、お待ちかねですよ。私の妃はまだか!と落ち着かぬ様子でした」 「えっ??妃?私王子様の奥様になるんですか?」 「はい、おっしゃるとおりでございます」 「何故私が...」 「私の妃になる女性は美しいな決まってる!早く会わせてほしい。とおっしゃっておりました。尚美お嬢様は王子様に選ばれたのでございます。そして奇跡が起きたのです」 ダニエルは尚美を衣装室まで案内する。
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