「結婚してください」「嫌です」

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「結婚してください」「嫌です」

同棲して2年、夕飯後のゴロゴロタイム。急にあいつが(のたま)った。 「結婚して下さい」 「嫌です」 「何で!」 即答してやった。 何を言ってるんだこいつは。男同士じゃ結婚できねーよ。しかもお前、ホスト崩れのヒモじゃねーか。 あ、結婚って養子縁組するってことか。 「幸せにするからー!」 「どうやって」 「うっ」 「そりゃあここはお前のマンションだぜ、立地もいいし窓からの眺めもいい。だがホスト時代に貢がせただけじゃねーか、ホスト辞めた今はただの穀潰しだ」 「酷い。でも部屋は綺麗だし洗濯はマメにするし、料理も出来る。いいダンナじゃないか」 「物がないから散らかりようがないんだよ。服も洗ってないだろ、いつも同じじゃねえか。白黒ばっかり着やがって。そう、お前もう料理するな!料理は後片付けまでが料理だよ、鍋とかザルとかおろし金とか使いっぱなしで茶碗洗うのが余計しんどいわ」 「酷いー!」 ああもう、何でこんな奴に惚れたかな。 でも愛はお金では買えないんだよ。例え誕生日プレゼントがメッキのチョーカーでも、デートが金のかからない花見とか蛍狩りのドライブでも。節約ライフもこいつとやれば楽しいもんだ。     
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