「結婚してください」「嫌です」

3/10
前へ
/10ページ
次へ
「バカか。じゃあ、俺の人生、お前に全部預けるから、お前の人生も俺に全部寄越せよ」 「分かった。地位も名誉も財産も全部共有する」 「ちょっと待て、財産って、まさかお前、借金抱えてたりしないだろうな」 「ないない。借金もないし悪いこともしてない」 「ビックリさせんなよ。言っとくが俺も貯金はちょびっとしか無いからな、無駄遣いすんなよ」 はなから奴の収入なんて当てにしてないが、借金なんて共有したくない。ホッとした。 「俺、もう嫁さんの尻に敷かれてるw」 鼻の下伸ばしてデレデレの顔すんな。それでもイケメンなのがムカつく! 「何で俺が嫁確定なんだよ」 「俺の方が年上だもん」 そっか。養子縁組は年上の方の戸籍に入るんだったな。 「そういえばご両親は大丈夫なのか?俺、会ったことないけど」 「もう結婚するって報告しといた。真実の愛を見つけたって言ったら感激してたぞ」 まじか。お前の両親、頭大丈夫か?信実の愛って笑うとこだろ。 そうか、こいつホストだったから真剣な恋愛が出来るか心配だったんだな。相手が俺で申し訳ないけど、一緒に住んでるのは知ってたみたいだから、今更か。 「じゃあ、もう良いか。するよ。結婚。俺がお前を幸せにする」 「やったー!愛してる!幸せにして!」 はははは。笑いが出た。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

307人が本棚に入れています
本棚に追加