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ある日の夕方……
高校二年生の僕は、クラブの練習で遅くなってしまい、転々と街灯のついている路を、自宅へと急いでいた。
街灯の陰に入った瞬間、不意に女の子が声をかけて、僕を止めた。
黒っぽいワンピースを着ていたが、どことなく友達の圭子に似ていたので、
「あれ? 圭子じゃないのか?」
彼女は、何故かだまっていた。
僕たちは中学からの友達だが、美人の彼女に、さえない僕は気後れして、最近は会話したことなかった。
いつまでも何も言わない彼女に、急いでいる僕は、
「こんな時間にどうしたの? 僕は……」
すると彼女は急に、
「私、探してる物があるの。一緒に探してよ。さー、こっちよ」
僕の腕を掴むと、中間の路地へと走り出した。
僕は、困ったな……と思いながら、彼女が困っているなら仕方ないか……と彼女に付いて行った。
ところが、彼女の足はなかなか止まらなかった。
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