幼い頃の記憶にこびりついた恐怖

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恐る恐るドアノブを回し、慎重に廊下を覗き込む。 「ひっ!」 恐怖のあまり、慌てて寝室の扉を閉めた。 あり得ない…日本人形やフランス人形が大量に廊下の両サイドに並び、一部が歩いていた。 「ママ、パパ、おきて!!」 両親を必死になって揺すり起こそうとするが、全く起きない。 何でこんな時にと混乱するが…もう尿意はそこまで来ていた。 トイレに行くにはその廊下を歩くしか無い。 だが、廊下には大量の人形がいる。 私は意を決して扉を開けると、人形がいる廊下を一目散に走ってトイレに入る。 ……あれ、外から人形の音が消えた? 何が起きたのか気になり、ゆっくりとドアを開けると そこには先ほどまで歩いていた人形が、ドアの周りを囲んで止まっていた。 そして、沢山の人形の顔がカクッと一斉に私を見上げる。 ここからは、もうどうやって寝室まで戻ったか覚えてない。 ただ、必死に走った。 すると寝室で私は叫ぶ様に飛び起きた。 あの経験は全て夢だったのだ。 そして翌日
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