59人が本棚に入れています
本棚に追加
優しいキスで目覚めるのはお姫様だけ――。
「いやぁぁっ……!」
不意に唇を奪われて
僕は悲鳴まがいの叫び声を上げた。
目の前にいたのは巨大な孔雀。
いや孔雀の面を被った孔雀男だ。
仮面の下の唇は
甘く綺麗なピンク色をしている。
仮面から覗く双瞳も
子供のように澄んで危ういほど美しい。
「今まで……どこにいたの?」
聞けば
赤いロープに縛られた僕の両手首を辿って
孔雀男は息を飲んだ。
「ここにいたよ――ずっとここにいた」
最初のコメントを投稿しよう!