第9章

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まさか――。 思った時には 響也は肩越しに僕の顎先を掴んで 「響っ……」 迷いなく唇を塞いでいた。 「ンッ……ンンッ……!」 それは今までの 兄弟愛を示すような軽いキスではなく。 紛れもなく 欲望に満ちた強引なキスだった。 「おまえが欲しかったんだっ……日に日におまえに邪まな感情を抱く自分が嫌で家を出たけど……おまえを諦めきれなかった……!」 悲痛な声。 頭には何も入ってこなかった。 「ここへ呼んだのは……おまえの気持ちを確かめる為だった。男が好きか?僕をどう思っていたか?何をすれば嫌がって何をしたら喜ぶか……。だけど2人と戯れるおまえを見ていたら……もっと欲が出た」 ただ 響也がとても苦しんでいたことだけは分かった。
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