第9章

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「後腐れが無いようにと――僕が言ったんだ」 冬馬は難しい顔をして 響也にそして僕に触れた。 「俺は反対した」 由莉は唇の端を曲げて そっぽ向きながら言った。 「何のこと……?」 僕にはさっぱり分からなかった。 ただでさえ理解を超えた状況にいるのに。 「おまえが2人を受け入れたら、目隠しして分からないように一度だけ――。おまえを抱いて……欲望を満たせば満足すると。そしたら元に戻れるかと……思ったんだ」 僕の髪にそっと触れ 響也が申し訳なさそうに口を開いた。 「――でも違った。やる前から違うと分かった」
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