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「後腐れが無いようにと――僕が言ったんだ」
冬馬は難しい顔をして
響也にそして僕に触れた。
「俺は反対した」
由莉は唇の端を曲げて
そっぽ向きながら言った。
「何のこと……?」
僕にはさっぱり分からなかった。
ただでさえ理解を超えた状況にいるのに。
「おまえが2人を受け入れたら、目隠しして分からないように一度だけ――。おまえを抱いて……欲望を満たせば満足すると。そしたら元に戻れるかと……思ったんだ」
僕の髪にそっと触れ
響也が申し訳なさそうに口を開いた。
「――でも違った。やる前から違うと分かった」
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