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それで仮面を脱いだ――。
「やめてっ……」
素顔を晒した響也は
柔和な外見ほど融通性はなかった。
「できない」
裸の僕に目をやると
頑なに首を振った。
「響也……」
「言ったろ?お兄ちゃん――今からもっと悪いことするって」
何ヶ月もあるいは何年もかけて
決意を固めていたようだ。
「受け入れるんだ――汐里。僕を受け入れてくれ」
青白い顔で響也が服を脱ぎ始めた時
僕は今日初めて本気で震えた。
「ダメッ……冬馬さん!……由莉さんっ……!」
2人は僕に目をやりながらも
互いを促すように立ち上がった。
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