第9章

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「僕らは席を外すよ――」 脱ぎ捨てた服を拾い上げ 困ったような顔つきで冬馬が言った。 「後で話そう」 由莉は感情を捨てたような瞳で 僕の頬にキスを落とすと 「……待ってよ!」 少しばかり腑に落ちない様子で それでもやるせなく背を向けた。 「ちょっ……ねえ!待ってよ……!」 がっくりと肩を落とす 浮き上がった由莉の肩甲骨に 冬馬はそっと手を添えて2人は寝室を出てゆく。 「ふざけんなよ……」 今2人が去ったら 僕は――僕らは――。
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