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「僕らは席を外すよ――」
脱ぎ捨てた服を拾い上げ
困ったような顔つきで冬馬が言った。
「後で話そう」
由莉は感情を捨てたような瞳で
僕の頬にキスを落とすと
「……待ってよ!」
少しばかり腑に落ちない様子で
それでもやるせなく背を向けた。
「ちょっ……ねえ!待ってよ……!」
がっくりと肩を落とす
浮き上がった由莉の肩甲骨に
冬馬はそっと手を添えて2人は寝室を出てゆく。
「ふざけんなよ……」
今2人が去ったら
僕は――僕らは――。
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