第9章
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第9章
「……何言ってるんだ?」 誤魔化すように冬馬が動いて マットレスはまた平坦になった。 「俺たち3人だけだよ」 由莉の声は淡々として どこか投げやりに聞こえる。 「……違う!」 3人なんかじゃない――。 静寂は余計に気配を悟らせた。 「誰か――いる」 吐息が震える。 誰か――。 そう口に出すのが 今の僕には精一杯だった。
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