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「………何で、だよ…………」
俺は、おめぇだけを。ずっと、探してたってぇのに。
沖田総司の、双子の妹。
総司と璃桜と小さなころに出会って、3人でよく遊んでいた。
勿論俺のほうが9歳年上だから、遊んでやってた、のほうが正しいかもしれねぇが。
璃桜に初めて会ったのは、俺が13やそこらの時。
俺の実家は、石田散薬と呼ばれる薬を売って生計を立てている、結構裕福な家だった。
けれど、俺はそこの家の目の上のたんこぶだった。
「歳三、こちらへ来なさい」
「……やなこった」
「歳!!待ちなさい!!!」
家の中に居場所がなかった俺は、10歳を超えてからは女をひっかけまくって、ちやほやされて、居場所を作っていた。
男と女のことを知ったのも、その頃だった。
俺は、ただ。
愛情が、欲しかった。誰かに愛してもらいたかった。
―――――純粋な気持ちを、向けて欲しかっただけだったのに。
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