331人が本棚に入れています
本棚に追加
「骨付きラムチョップだって、山盛りポテトも付いてるし、これにしよ! 焼き立てパンつけてくれ。クラムチャウダースープも」
ラムチョップだけで千円を越えている。さすが超高い。でも、どのメニューも千円越えだ。オマールエビシリーズに至っては三千円。それよりはマシだし、達也が奢ると自ら言ってんだし。それにこいつは優勝してる。名波メロンも付加価値付きで、今年はウハウハだろう。俺よりいい思いしてんだから、この際、存分に甘えてやろう。好きなの頼めとも言ったしな。そも、俺は強引に連れて来られた。ご馳走になってやろうじゃないか。
「はいはい。んー。じゃあ俺は……黒豚ジンジャーステーキにしようかな。あ、カルボナーラも」
慣れた手つきでリモコンを大画面テレビへ向けてフードメニューを選択していく。
「聖一、季節のパフェは?」
「食う」
「ドリンクはどうする? 柚ソーダがいいか?」
なんだ、ドンドン頼んでくれるじゃないか。遠慮なんて鼻っから不要だったわけだ。
「土佐のジンジャーエールで」
ジンジャーエールに地名が入ってるけど、味が違うのか?
「了解」
待ってる間、温泉みたいな贅沢な風呂へ入る。洗い場も広いし、湯船はプールみたいに広い。二人で一緒に入っても全然苦にならない。十人で入ってもへっちゃらだろう。
打たせ湯を肩に当てると凝った肩に丁度気持ちよかった。
「そろそろ飯もくるだろ。先に出るわ」
達也はそう言ってさっさと風呂から出ていった。
「あー、気持ちよかった」
打たせ湯を堪能し、達也も出て行って一人になった大浴場で、俺の口角はニヤリと持ち上がる。
五メートルはある長い浴槽。二十七にもなる俺はそこで全裸で泳ぐという暴挙に出た。だってココは貸切りなんだから迷惑になる心配はない。やり放題だ。温かい湯の中で一糸まとわぬ姿で泳ぐのはやっぱり最高の開放感だった。
最初のコメントを投稿しよう!