331人が本棚に入れています
本棚に追加
チラリと達也をチェック。大丈夫。あの息遣いはすっかり眠っているものだ。
リモコンに手を伸ばし、途中で止める。
いやいやいや、寝てても音量で起きちゃうだろ。……音無しだったら大丈夫かな? まずは普通に映画チャンネル流してみて、大丈夫そうなら音無しにした上でチャンネルを変える。うんうん。これでいこう!
作戦が決まり、いざっ! と思った時だ。
「ん~……」
背筋がビュンと伸びた。起きちゃったか? と振り返ると仰向けだった体勢がうつぶせになってる。
なんだよ、脅かすなよもー。
達也は寝返りを打っただけのようだ。安心と共に背筋が緩む。気を取り直しリモコンを握る。
では三好聖一行かせていただきます。
リモコンを前に構えて映画を付け、パッと振り返った。達也はさっきと同じ体勢。しばらくジッと見ていたけど、大丈夫そうだ。いよいよ次のステップ。俺は賑やかな映画の音量をゼロにした。そしてチェック。いけるな……と油断させたところで、再度チェックッ!
……うん。ぐっすりだ。ではいよいよ。
俺は無音の咳払いをしてアダルトチャンネル切替ボタンに親指を持って行った。
行くよ! 行くよっ! えいいいいっ!
パッと映し出される下着姿のツインテールに「うおおお」と完全な中学生に戻ったようにテンションがグイーンと上がりトキメク。ソワソワと落ち着かない中、膝に肘を突きモニターを凝視した。
こんな本格的にエロビデオ観るのって何年振りだろう。最近はめっきり処理事として適当に済ませがちがった。しばらく女の子が艶めかしいグラビアポーズをとってる動画状態の映像が流れ、何か喋ってる。しかし、何せ無音で、読心術も俺は持ち合わせていない為、何を言ってるのかさっぱりだ。おそらくインタビューめいたアレだと思う。こんなの観てても仕方がないので俺は早送りした。
男の影が早巻きの中一瞬写る。
お、キタキタ。
最初のコメントを投稿しよう!