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「賭けに負けたんだから、諦めろって」
「俺はも、誠意、見せた」
「聖一」
低い声で静かに名前を呼びながら、俺の首元に顔が近づいて来たかと思えば、「ひー」と硬直してる俺に吸い付いてきた。肩を抱く手はビクともしない。
「窮屈だろ?」
モノから手が離れたと思った途端、グイッとパジャマをずり下ろされる。勢いよく飛び出るモノ。
「ぬあっ!」
達也はいつもこうだ。人の話聞かないし、すごく強引。小さな頃はそんなところを憧れもしたけど、これはさすがに無いっ!
慌てて俺は息子をガードしようとしたけど遅かった。直に握られたモノの先端がヒンヤリして、達也の手が上下するたびにクチュクチュ音がする。どうしていいかわからない。やめろっていってるのにっ! ギュッと目を瞑ると、達也が耳の直ぐそばで言った。
「女より気持ちよくしてやるよ」
「なんでこんなことするんだよ。して欲しくなんかない」
「好きだからに決まってんだろ」
「はあ!?」
達也は憮然とした顔で言った。
「はぁ? じゃねぇよ。なんのためにメロン作ってると思ってんだ」
「え、メロンの為?」
「ばーか。お前がメロンを好きだからだろ?」
「……そうだったの?」
「昔から、お前を誰よりも特別扱いしてきたのに、なんでそんなに鈍感なんだよ」
ドンカン?
達也は本気みたいだった。眼差しはけわしくなり、怒ったように低い唸り声を出す。
「もう待たない」
「ひゃあああって、心の準備っ!」
「ここに入った時点でしろよ!」
「ありえないよ! ずっとメロンでライバルやってきたのに! そうだよっ! 好きならなんで張り合うんだよ!」
モノを握っていた達也の手が俺の頬を包んだ。
「お前に尊敬されたいからだろ? カッコイイと思われたいから努力してんだよ」
「カッコイイのは昔からだし、アプローチの仕方が間違ってるし! 遠回し過ぎだし、もう大人だしっ! 学生の頃なら勢いで的な事もあるかもだけど、三十路を控えて踏み出すには……」
「婚活する前だから全然セーフだろ」
「モチベーションの問題っ!」
「俺はモリモリだから大丈夫だよ。教えてやるから」
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