第一話 メロン王子

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 今度は口にチュッと一瞬のキスをすると、また俺のを握った。 「女じゃなくて、俺を見て興奮するように仕込んでやる」 「し、仕込むって」 「離れられないようにしてやるよ」  こ、こわい、怖いんですけど! こんな年になって……。  こうなってしまった達也をもうどうすることもできない。俺は達也の胸元のバスローブをギュッと握った。俺のを包む達也の手がゆるゆると上下する。俺はその刺激に必死に耐えた。手の中でどんどん固くなっていく。  器用な動き。さわられたのなんて初めてなのに、まるで俺の弱いところを全部知っているみたい。こんなのされたら我慢できない。  耳元でまた達也が囁く。 「お前は俺のもんだ」 「うぅ」  心が折れそうになる。 「怖いのなら今日は最後までしない。でも……もう逃げるなよ」  ギュッと瞑ってた目をゆっくりと開けた。すぐ傍の達也を見上げる。  ふと、蘇る記憶。  アレは俺が小学五年生の時だった。
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