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「もう逃げるな」と言う達也の目を見つめながら俺は「うん」と頷いていた。
達也の唇がわずかに引いた俺の口を塞いだ。ムニュッとしてる。
意外と柔らくて、男女の違いは……。
熱い唇。達也の興奮が伝わってくるみたいだ。
ち、違いは……あるかも……。なんつーか、オーラが違う。
そう思っていたら、達也はキスしながら俺のを上下に扱いてきた。
や、やっぱ違う~っ! 女子はこんなのしないし、達也ペースだもんっ!
俺はひーひー言ってるだけで、達也は妙に慣れてる。口内に滑り込んできた舌が内側をペロリと舐めた。
「ふ、く」
歯茎とか、上あごとか、キスしたって触られたことなんてない部分を擦られ、背筋がゾクゾクと震える。下半身の刺激プラス、クチュクチュといやらしい音まで聞こえる。
ドンドン追い詰められていく感覚。
濡れた感触が達也の手の滑りをもっとなめらかにして、も、めっちゃ良いんだけどっ。
男同士だとか、プライドがとか、そういうの言ってられなくなった。俺は達也のバスローブを縋るように握って、キスの合間に息と快感を逃すので精一杯だった。
舌に舌が擦りつけられる。ジワリ滲む唾液。手のなかで俺のは限界まで膨らんで苦しい。出したい。達也の胸ぐらを強く掴んで引き寄せた。舌に自分のを絡める。もうなにも考えられない。反対側の腕を達也の後頭部へ回し押さえつけ、更に深く達也の口内を味わう。
止まらない衝動に突き上げられるままキスしていると、達也の上下する手がスピードを増した。
「ん、ふう、んあっ、でそっ」
「イけよ」
低く囁く声がすごくやらしく聞こえた。唇を噛みしめる。込み上げる快感は頭のてっぺんまでパンパンにして、俺は沸騰した熱を一気に解き放った。
「……っはあううう」
体の動きが止まった瞬間、グイと達也に引き寄せられすっぽりと囲まれる。腰がビクビクと震え、俺のは握られたまま。俺はその刺激に達也の腕の中で身悶えした。
乱れる互いの熱い吐息。達也の心臓の音が聴こえそうだ。
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