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「……江本っ!……江本おおおお!」
シーツを両手でギュッと握りしめた。腰を突き出す形になっていたのは迂闊だった。
あたしの……女性としては非常識なくらい長い指をベッドに食い込ませているというのに江本晴夜はビクともしない。
「江本……やだ……堪忍……絶対やだ……」
「姐さん」
いつもの江本の声は低くて天鵞絨のように滑らか。それが今は掠れていて恐ろしく艶めいていた。
「いくよ、姐さん」
「や、やだ、やだ、恥ずかしいからイヤ」
「イヤとかヤダはもう聞き飽きたの。俺という男の人生、半分以上かけてんのに、ほんと酷い女だな」
「む、無理ーっ」
「無理やない。ちょっと我慢すれば何とかなる」
「なんともならんっ。やだ、絶対恥ずかしい!神様ーっ!かーみーさーまーあ!」
「……ふっ。この世には俺に逆らう神様はもう居ねえ」
江本のバカはあたしにそう言い放った。
「無駄な抵抗してると、ほんと怪我するぞ。良い加減、力を抜け」
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