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るのに、どうしてあのクソガキがこんなにも悠然としているのだろうか。相手がどんな表情を浮かべているのか、つぶさにわかってしまうから、更に、俺の怒りのボルテージは上がっていってしまう。おそらく彼は余裕綽々な笑みを浮かべているのだ。
心底、腹立たしい。
『何なら職員室前に言って話してあげようか?』
「や、やめろ!」
『冗談だよ。ま、別にそうしてあげてもイイんだけどね。先生がぼくに犯されてどんなにかわいく喘いでくれたか、職員室前で延々と語ってあげるよ』
「天花寺!!」
『ウ・ソ。先生のかわいいとこはぼくだけが知ってればいいんだよ。それに、ぼくが何を言ったところで、先生みたいな大人が、ぼくみたいな子供に強姦されたとか誰が信じるの?』
「……………………………」
確かにそうだ。
いくら天花寺がαでも、誰が信じるというのだろうか。生徒が、教師を犯すなど。
俺が天花寺を強姦したと言う方が、まだよっぽど信憑性はあるだろう。
そういった意味では、俺の痴態が世間に知られるような心配はないのかもしれない。
『で、も。証拠の動画とかあったら話は別だよね?』
「……………ッッ!!」
ねちりとした天花寺の声に、俺は血の気が引くのを感じた。
そうだ。監視カメラ。天花寺は言っていた。相談室の監視カメラは、天花寺家が管理しているのだと。あの時の映像は……すべて、記録として残っているのだ。
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