二章 変化するカラダ

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 いつもは輝いて見えるかわいい生徒たちの顔が、どれもこれも、何かを企んでいる悪魔に見えて来る。自分の生徒の心情を疑わなければならない日がやってこようとは。 「お、おはよう」  返事するこえが上ずっていないか、顔がひきつっていないか、余計な心配をするハメになった。  多少、ギクシャクしているのが自分でもわかるが、どうにか返事をすることができた。  本来、俺は生徒たちが大好きだ。子供が好きで、教えるのが好きで、この職業を選んだ。  その俺が、子供が怖くなるなんて……なんて、悲劇だ。肉体の疲労が蓄積し、下腹部……排泄口の多大な違和感が残っているためか、思考がマイナスになっていく。  昨日、無理な体勢で椅子に縛りつけられていた身体は、未だに全身がギシギシと痛む。服を着ているのでわからないが、手足の関節部分には拘束されていた縄の痕が、まだうっすらと残っている。服の上から縛られていなければ、痕はもっとひどく残っていただろう。  ……俺の人生で、誰かに縛られることがあるなんて、思わなかった。もっと言えば男に、しかも十以上も年下の男に、縛り上げられるとは……     
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