二章 変化するカラダ

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 今のところ、天花寺と遭遇することなく、職員室へ辿り着けたことに胸を撫で下ろす。  もしかしたら、職員室に入る前に接触してくるかもと用心していたが、杞憂に済んだ。  無論、現状が楽観視できないことは重々承知している。それでも、少しでも長い時間、あいつと距離を置いておきたかった。今の精神状態では、顔を見たら悲鳴をあげて逃げたくなるか、あの女の子みたいに綺麗な顔を殴りつけてしまいたいか……そのどちらかの感情しか、湧かない。  とりあえず、無事に職員室まではやってこられたことは、よしとしよう。 「おはようございます」  先に職員室にいた先生たちと挨拶をかわし、自分のデスクへ向かい椅子に腰を下ろす。  他の学校はどうか知らないが、芳名学園では副担任のデスクもきちんと用意されており、その机は受け持つクラスが同じ担任と横並びになっている。 「おはようございます、日笠(ひかさ)先生」 「おう、おはようさん草薙先生」      
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