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6時間目終了後。
「なあちょっといいか?」
俺が声をかけたのは手紙を渡せと言ってきた女子生徒たちだ。
「あ、手紙わたしてくれた?ありが・・・」
「お前らか?あいつをいじめてたの」
いじめというワードをいうと空気がガラリと変わり、
ほんわかムードが一転殺伐した空気、俺に対する態度が弱者を見下すようなものに変わる。
「だったら何?」
「いや、朝霧が言ってたから。もう限界だから先生に言うってさ。」
「はあ?マジで!?チクルとかキモ」
俺を無視して行こうとする奴らに俺はボソっと呟く。聞こえるように。
「これからあいつに何かするなら俺も先生に言おうかな。」
足音がぴたりと止まる。後ろから痛いと思うくらいの視線を感じる。
「なんで?もしかして朝霧と仲いいの?」
「いじめの事を先生に言えば俺の評価が上がるから。そろそろ進路を真剣に考えないと
いけないしな」
「な・・・」
「・・・もうやめろよ。そんなダサいこと」
振り返り俺はそいつらを強く睨む、言葉には出さずとも今の俺が思ってることは
分かるはずだ。
後ろの2人はそそくさと去って行く。
「あんた・・・何で朝霧の事なんか庇うの?」
残った一人・・・確か中本久美だっけ。
「別に・・・。」
俺はそれに反応せずそいつから離れた。
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