銀髪の少女

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朝霧が転校してきて2週間が経った。 朝霧に興味の無い奴等は転校してくる前と同じ学校 生活を、朝霧を嫌う奴等は毎日のように朝霧をスト レス発散に使っていた。 朝みた朝霧の表情はいつもより暗く今降っている雨 はアイツの気持ちを表しているかのような冷たく、 誰も寄せ付けないように強く降る。 「なぁ蒼太?朝霧見なかった?」 俺が教室に居る卑怯な奴等を見たくなくて机にうつ 伏して寝ていると俺の友達の田原 大地が話しかけ てくる。大地は朝霧に興味が無い方だ。 「何で?」 「さっきの授業居なかったから先生に聞かれたん だ。」 「確かに居なかったな...。」 朝霧にとって教室に居るのは地獄にいるのと対して 変わらないものだ。現に今朝霧の机にゴミが置かれ ている。 「...俺探してくるわ」 「もう授業始まるぞ?」 「あーやべ...腹痛いから保険室行ってくる」 多分今までで1番下手な嘘を付いた。でもこの嘘は ばれてもいいと思った。それに相手は大地だ。 「腹痛いなら先にトイレ行きなよ。保険室のベッドを 汚すなよ」 「サンキュー」と大地に手を振って席をたつ。 探しに外に出ようとしたが、その前にやることがあっ た。 朝霧の机に置かれたゴミを取りそのままごみ箱に捨 てる。卑怯な事をするなと俺はゴミを置いた奴を睨 んだ。
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