奇妙さ、それは奇妙だ

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 どれに当てはまるのかは分からない。でも、それを決めるのは、僕の話を聞いてからにして欲しい。  愚にもつかない、薬にもならない、ましてや幸福になんてなれっこない、それでも誰も不幸にしない、そんなお話。  良かったら、聞いてみて。  僕はいじめられっ子であるらしい。らしい、というのは自分の中で判断が出来ないからだ。例えば、登校した時にロッカーに入っているべき内履きがごみ箱に入っている。例えば、うっかり机の中に置き忘れてしまった教科書がごみ箱に入っている。例えば、楽しみにしていた給食を目の前で奪われ、ごみ箱に捨てられてしまう。  うん。確かにいじめの可能性はある。中には十中八九いじめだと断定する人もいるかもしれない。でも、僕としては待って欲しい。たとえ十中八九でも、残りの一がある。可能性だって、あくまで可能性の問題だ。それが確実だとは言い切れない。  でも中には、僕はいじめられているとはっきり言ってくる人がいる。先生に相談した方がいいというアドバイスを頂いたこともある。でも僕はそれらの意見には、一向に耳を貸さなかった。僕自身がそう思っていないからだ。僕にはとても、自分の今の状況を顧みた時に、どうしてもいじめられているとは思えなかったのだ。     
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