奇妙さ、それは奇妙だ

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 クラスメイトは皆揃って、僕を無視する。目が合った時は合掌をしてくる。色々な授業でグループを作れと言われれば、僕は必ずその担当の先生と組むことになる。そしてその先生は、お前は軟弱者だな、と呆れたり、転校という手もあるんだぞ、という謎の提案をしてきたりする。  授業中は背中に消しゴムのカスやらゴミ屑やらが飛んでくる。痛くは無いが鬱陶しい。休み時間にはよく物を取られ、捨てられる。筆箱の中身を全て窓の外に投げ出された時はさすがに焦った。僕は授業が好きだったから、外に取りに行って授業に遅れるということはしたくなかった。  放課後になると、もれなく運動部連中の『挨拶』の時間になる。「また明日」、 「じゃあね」、と軽い挨拶と共に、実に重い拳を僕の身体に喰らわせる。みぞおちに何発も喰らった時は、意識が一瞬飛んだ気がした。そうして僕の学校生活が、終わる。  以上が僕の学校生活。ここまで話していて、うん、さすがに無理があるな、と思う人が続出していることだろう。  だって、いじめじゃん。もろ、いじめじゃん。いじめ以外の何物でもないじゃん。  確かに、ここで意義を唱えるのは少々難がある。確かに、無理がある。でも分かって欲しい。可能性の問題だ。     
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