佐賀国大統領と太陽の光

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 リサのスーツ姿は初めて見るので、一瞬、分からなかったが、すらっとしたスタイル、長い髪を後ろでひとつに束ね、薄化粧だが、整った顔立ちで、目を引く雰囲気は失われていなかった。  確か、彼女は佐賀出身だったはず……。  そして、僕と同い年。きっと、佐賀国のピーアールのために駆り出されたのだろう。  彼女はマイクの前に立ち、大きく深呼吸をして、口を開いた。  耳には赤いピアスが光っている。 『私は、佐賀国の初代大統領を務めます、飯盛(いさがい)理沙(りさ)です。ここに、佐賀国の独立を宣言します――』 「まさか、そんな……」
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