佐賀国大統領と太陽の光

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 この衝撃的なニュースは僕の心を無造作にかき混ぜた。  自分を顧みて落ち込んだり、何とも言えない高揚感が訪れたり、高ぶる房総沖の波のように上がったり下がったりを繰り返し、やっと落ち着いてきた時、僕の中にある答えが生まれた。  こんな事が起こるのならば、魔法だってあっても良いんじゃないだろうか……。  同い年の女の子が大統領になった……僕は……僕はいつまでここで、じっとしているつもりなのだろうか。  その時、僕の心を握り込んで離さなかった、力の強い真っ黒な手がすっと消えて行く様な、清々しさを感じた。
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