444号室

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そのとき、重さんは「たんま」といい、「俺、気分が悪いから、そこのソファで寝たいよ、あっちを見てきてくれない」といいます。 「いいですよ」と私は返事をしました。ひと回りして重さんのところに戻ると、 重さんは「守衛室のベッドで休みたい」といいだしました。 相当、気分が悪いようです。 守衛室にいき簡易ベッドで休みながら、重さんは私に、「今日は何か出そうよ」といいだしました。 私は「気味の悪いこといわないでくださいよ、重さん」といいました。 「今日は、もうまわりたくない」といいだしました。 通常、二人で回るのが規則ですから違反です。 でも、憔悴しきった重さんの顔をみていると何もいえません。「わたしは一人でやりますから、重さんは休んでくださいよ」と言いました。 「恩に着るよ」と重さんはいいました。
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