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 痛いところにぐさぐさ刺してくる。おばけのくせに。モテたいとかワンチャンとかそういうの考えて一人暮らしをはじめた身としてはまだその収穫はさっぱりないし、親フラとか姉フラとかに怯えずにオナるのが捗るくらいにしか恩恵は得られていない。いや、これからだから。まだ俺の大学生は二年残ってるから。  ……ちょっ、と待て、ずっと、とか、たまたま、とか、俺の捗ってたあれやこれとかそういうのももしかして見られていたとか!?や、無理だって、嘘だろ。それならそれで早く言ってよ! 「あの……」 『全部脱がなきゃできないってなかなか難儀な体質してるよね』 「うぁぉあぅ」  その一言で十分なダメージだった。エロいこと考えてたらおばけは寄ってこないって聞いたことあんだけど。だめなの?俗説なの?ほんとは効かないの?俺それと盛り塩くらいしか霊対策知らないんだけど。あと何?陰陽師? 「あの……」 『はい』 「成仏のご予定とかは……」 『ふは』  おずおずとそう聞いた俺の声をおばけは友達みたいに笑い飛ばした。さすがに傷つく。渾身の提案なのに。だってこの先もしかしたらもしかするときずっとこの色白のおばけに見られてたら嫌だ。そんなことしか考えてねーのかよと思われそうだけどそれが一番身近に死活問題じゃない!? 『成仏ねえ』 「そのほうがあなたのためだとおもいますけど……」 『それができればいいんだけど、あ、ばか、痛い、やめろ』 「痛い!?」 『痛いよ』     
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