第4章 信じるものは

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 滑り込んできた舌の感触が気持ち悪いと感じてしまうのは、相手がテオドールではないせいだ。  蹂躙しようと動く彼の舌を拒もうと噛み付いたセレーネは、驚いて顔を引っ込めた彼に潤む瞳を向ける。 「私に触れてイいのは、テオドールさまだけですわ。こんな辱しめを受けるくらいであれば、私は……」  ぐっと、舌を噛み切ろうとしたのに、指を入れられて防がれた。 「く……っ。そうまでして私を拒むのですか、セレーネさま。でも、止めるつもりはありませんよ」  血の味が口腔に広がり顔を顰めるセレーネは、いきなり下穿きを脱がせられ驚愕に目を丸くする。  まさか、と、思わずそこに目を向けたセレーネは、濡れてもいない淫裂に指を這わされて、びくりと腰を引いた。 「死のうとするなんて……お仕置きをしなければなりませんね。いいですか、セレーネさま。また死のうなんてすれば、その小さな口に布を押し込んで、私のこの滾ったものをねじ込みますよ。今はまだ、私のものを挿れられるのは嫌なのでしょう?」  まるで近々彼の物を望むとでも言いたげな口調に、セレーネはふるふると肩を震わせる。 「んぅ、んん……! ……ッ」  止めてと、言ったのに。  滑りも良くないそこに容赦なく指を突っ込まれ、痛みに引きつるナカに、セレーネはついに耐え切れず涙をこぼした。  彼も騎士であり、剣を握るために指がごつごつとしていて、そんなものが内壁を擦っては堪ったものではない。  自分の躯を守るために勝手に愛蜜が出始め、次第に滑りをよくしていく。  そのせいで無遠慮に指が中で蠢き、背筋にぞぞぞっと拒絶と快感の二つが走って困惑してしまう。 「皇帝陛下には何度抱かれたんですか……?」  口の中に入れられていた指を取られ訊かれたセレーネは、答えたくないと無視をした。 「毎日のように抱かれてたんですか……?」  ディオンの訊ねる声に少し怒りが含まれているような気がしてならず、息がつまりそうになる。  自分を見下ろす眸は酷く熱い。  だが、これがテオドールのものではないと思うと身が竦むほどに嫌で、セレーネは血が滲むくらいに強く下唇を噛んだ。  ぐちゅんと、引き抜いた指を勢いよく突き立てられる。  びくっと背中が弓なりに反ってしまい、とろりと溢れた愛蜜がディオンの指を、艶かしく濡らしてしまった。
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