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「嫌、お願いです、止めてください……っ、ああんッ」
漏れ出てしまう声を抑えたくても、蜜事を覚えている身体は快楽を貪ろうと腹の下に熱を集めて、おいしそうにディオンの指にしゃぶりつきどうしようもない。
「囀ずるような愛らしい声は、私が予想していたままです。あなたを何度も何度も夢の中で犯し、よがらせ、その中に私の熱いものを沢山放ちました」
不意に、彼がポケットから菫色の小瓶を取り出した。
目の前にかざされ、傾けられたそれはとろみがあるように思われ、なんでそんな得体の知れないものを見せてきたのか分からず、視線が泳いでしまう。
「これは極上の快楽を与えてくれるものです。さあ、皇帝陛下のことを忘れ、解放されてください。私に全てを曝けだし、私なしでは生きられなくなればよいのです。それこそがあなたが救われる、唯一の方法ですよ」
そんなわけないと言い返したかったのに、熱く蕩けさせられた場所にひんやりとした感覚が走り、喉がひきつって言葉が詰まってしまった。
とろみのあるその液体が、じわじわとセレーネの儚い場所に吸収されていく。
「な、に……熱、い……?」
身体の芯が突如熱を帯び、苦しささえ覚えた。
垂らされた場所から甘い痺れが波のように襲いかかってきて、しっとりと肌が汗ばむ。
なにがなんだか分からない。
ただ分かるのは、リンネルが擦れるだけで嬌声がもれてしまうくらいに、快感を享受してしまうということだ。
「この媚薬は直接秘所に塗ると、すぐに効果がでるんです。さあ、啼いてください」
今度はたっぷりと指に媚薬をまとわせて、ディオンはセレーネのナカに運んだ。
ぬるりと滑りの良くなっている指が内壁を撫で上げ、軽く刺激を与えてくる。
「や、やめっ」
途端に脚が小刻みに震え、自分の身体ではないかのように下腹部が酷く疼き、腰が揺れてしまった。
「あっ、嫌、嫌なのに……」
思考が、白く塗りつぶされそうだった。
嫌だと叫ぶ心とは裏腹に、身体は確実に快楽を求めていて、蜜口を窄めてしまう。
そんな、どうして。自分はテオドール以外に触れられても、悦びを覚えてしまうというのか。
そんなはずがないと奥歯を食い縛り、セレーネは荒くなる吐息を整えようと必死になる。
「お願いします、やめ……、やぁアッ」
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