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――お願い、早く出て行って……
これ以上はもう、本当にもちそうにない。
張っていた気が緩んでしまったからか媚薬に抗えなくなっており、セレーネは目尻を赤く染め上げた。
脚の付け根の中心。そこが疼いて、苦しい。
「お願いです、テオドールさま……」
男たちが部屋から出ていく音が聞こえる。
「身体が酷く疼いて、苦しいんです……」
どうかこの熱を鎮めてほしい。
上擦った声で言うセレーネのせいでテオドールの雄は早くも昂り、参ったとため息をつかれてしまった。
「セレーネ、なにか薬でも盛られたのか?」
縛られ、痛々しい色になっている手を解放してくれたテオドールにこくりと頷き、セレーネは小瓶を指す。
「これは……そうか、この媚薬は飲まされたのか? それとも、直接粘膜に擦り込まれたのか……?」
それを、言わなければならないのだろうか。
言葉を詰まらせるセレーネに、テオドールは恐らく後者であったのだろうと判断したようで、さらに大きなため息をついた。
「これは直接粘膜に擦り込んだ方が効果のあるものだ。全く……普通は正気ではいられないものだぞ、セレーネ」
「で、も……テオドールさまじゃないと、テオドールさまではないと嫌で、私……」
じわりと浮かべた涙を舐め取られ、セレーネは喉を反らす。その柔らかい舌の感覚でさえも気持ちよくて、呼吸が乱れた。
自分の意思とは関係なく愛蜜が溢れ、それがテオドールの情欲を煽ったようで、熱い視線を向けられる。
「私への操を立て、堪えたというのか……? あなたはなんて健気なんだ。傷ついているだろうし、手を出したくはなかったんだが……抱いて、いいんだな? セレーネ」
「は、い……。わ、私、汚くなって……ああ、ごめんなさいテオドールさま。こんな私に触れるのなんて」
「あなたは汚くなんてない。……セレーネ、今からあなたを抱くのは私だ。だから、よけいなことは考えるな。私だけに集中して、快楽に溺れるがいい」
唇を這うテオドールの舌に、セレーネはぶるりと身体を震わせた。
ちゅっと口付けられるだけでも気がおかしくなりそうで、怖くて、彼の背中にしがみついてしまう。
「そう煽るな、セレーネ。あなたに乱暴なことはしたくないから、これでも滅茶苦茶にしたい気持ちを抑えているんだ」
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