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激しく揺らされる腰は、彼が熱い飛沫を放とうとしている証拠だ。
肉と肉がぶつかり合う音は、もしかしたら下にも聞こえてしまっているのではないかと思ってしまうほどで、セレーネはぎゅううっと蜜壺を収縮させた。
「ふああっ、テオドール、さまっ……!」
「……ッ、セレーネ、出すぞ……」
苦しげな彼の声が聞こえ、最奥に灼熱の楔が穿たれた時、セレーネは一際高い声を出してそのしなやかな腰を反らし、絶頂の味をあじわった。
何度も恍惚の波にさらわれたせいで汗が酷くて、髪の毛がまとわりついてしまう。
「無理をさせたな。……大丈夫か?」
ふわりと頬を撫でてくれる彼の手付きは、どこまでも優しい。
汗で濡れてしまうこともいとわずに逞しい胸の中に引き寄せてくれて、セレーネはその温もりを離すまいときゅっとしがみつくように、テオドールの腕を掴んだ。
今のこの穏やかな雰囲気はまるで昔に戻ったかのようで、とても幸せなものである。
しばらく彼の腕に抱かれていたセレーネは、不意に低い声で訊ねられ、ひやりと背筋に冷たい汗を伝わせた。
「……セレーネ、あなたはディオンから、なにか聞いたか?」
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