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僕は瞼を上げ、君の枕元に置いたアンチモニーオルゴールを見つめた。
懐かしき、遠い日々。
君と出会い、ともに過ごし、君は僕に数え切れないほどたくさんの美しいメロディを奏でてくれた。
「聴こえているんだろう・・・・・・?和香子」
やがて、シリンダーの回転が遅くなっていく。
流れるようにピンに弾かれていた櫛歯が奏でる金属音が徐々に単調になる。
「和香子・・・・・・」
ゆっくり、ゆっくりと、終わりが近づく。
僕の心に最後の音を響かせながら。
ー完ー
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