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さらに翌日、再びあのうめき声が聴こえてきた。今度はシャワーの音をものともせずハッキリとまるで耳元でうめいてるかの如く聴こえてきた。
マツキは背筋が凍る感覚を覚え、ひとまずシャワーを止めた。まだ聴こえる。「何処だ」と目線を走らせた。
そしてその声の出所を確信した。それは丁度頭上にある換気口だった。よくある正方形で横網状の策がついた換気口。そこの奥から響いていた。
目を凝らして換気口を覗くと、奥は真っ暗闇で何処まで続いているかは分からない。
うめき声はまだ続いている。しかもさらに音量を上げて。まるで徐々にこちらに近づいているかのようだ。
数分経っただろう。しかし声は止まずさらに近づいてくる。
マツキは換気口の奥を見つめたまま動けなくなっていた。まるでその先に何か得体の知れない何かがいるのではないかと釘付けににっていた。
「ううううぅ!」
うめき声は既に浴室中を轟かせていた。
目の前まで来てる。そう確信するもその目には何も映らない。
目を凝らして換気口の奥をひたすら見つめる。
その瞬間だった。
突然換気口の策が勢いよく外れ、顔面に直撃した。と同時に鈍い音が浴室内に響いた。
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