交換日記が始まる

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私達の学校は、それぞれ個人ロッカーが与えられている。利世ちゃんとの交換日記は、この中に毎朝日記を書く順番だった人が入れておくことになっている。 お互い少し家が離れているのと、利世ちゃんは部活に入っており朝練があることもしばしばなので、一緒に登校することはあまりない。 今日は、利世ちゃんが交換日記を書いてくる番だったので私のロッカーの中には、交換日記が入っている。 表紙は、黒地に赤いバラの絵が描かれている少し大人ぽい絵柄のノートである。 交換日記を始めてからは、ロッカーを開けるのが毎朝の楽しみである。誰にも見られないように、そっと鞄の中に交換日記をつっこむ。 私は、部活に入っていないので、学校が終わると速攻で家に帰る。数少ない帰宅部の一人である。 「ただいまー」 「おかえりなさい。ちゃんと手を洗ってうがいもするのよ」とお母さんは私が帰宅するなり言ってくる。 「はい、はい、分かったわよ」と返事をして、面倒だけど、うがいと手洗いを済ませてから二階の自分の部屋に行く。 そして、鞄をベッドに放り投げて鞄から交換日記を取り出して、家に帰ってきてから読むのが日課である。
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