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昼近くまで、何度抱かれたかわからなかった。
セックスをして眠って、目が覚めると蒼はまた私を求めた。
「もう、二度と離さない……」
明け方、蒼がポツリと言った。私は、声を殺して泣いた。
あの日、蒼と別れた部屋。
あの日が、蒼を離してあげられる最後のチャンスだった。
T&Nの頂点に立とうとする蒼に、私は相応しくないとわかっている。それでも、もう私には蒼を諦められる気がしない。
「もう、二度と離れない……」
私は蒼の腕の中で、目を閉じた。
「大丈夫か?」
ようやく起き上がろうとして、私はベッドから滑り落ちた。
「大丈夫……じゃない……」
全身が痛い。特に腰の鈍い痛みが体の自由を奪った。
「あーーー……、ごめんな?」と、蒼が気まずそうに言った。
「もう……しばらくしない」
「えっっっ? マジ?」
「マジ!」
蒼のあまりの落ち込みように、私は思わず声を出して笑ってしまった。
「あはははは……! 落ち込み過ぎでしょ!」
「おまっ――! 笑いすぎだろ!」
「だって……」
蒼は私を抱きかかえると、バスルームに連れて行ってくれた。湯船に浸かって身体を温めると、腰の痛みが少し和らいだ。
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