歪み修正と周囲の恋愛事情にて

33/33
384人が本棚に入れています
本棚に追加
/166ページ
「……寝るぞ」 「はーい」  翔太はタクトに毛布の中で抱きしめられた。  力が流れ込んでくる感覚もあるのだが、抱きしめられてタクトの体温を感じてしまう。  神だと言っている割に、普通に温かくて心地良人のぬくもりだ。   いつしか翔太は眠りの世界に誘われて、穏やかな寝息を立てる。  そのあまりにも無防備な様子にタクトは、 「どうしてこんなに俺を信用できるんだか」  不安で眠れないと言い出すかと思えば、すぐに穏やかな寝息をたてる翔太。  こんな翔太を見ていると、自分が信頼されていると思ってしまう。  期待するなと自分に言い聞かせようとするのに、すぐに顔がにやけてしまいそうでタクトは困った。 「おやすみ、翔太」  腕の中で眠る翔太の額に、タクトはキスをして、タクトもまた瞳を閉じたのだった。 --------------------------------------
/166ページ

最初のコメントを投稿しよう!