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そこでエーファはタクトに掴みかかる手を話して今度は翔太にエーファは視線を移し、微笑んだ。
「また会ったな。そういえば名前を聞いていなかったか」
「えっと、翔太です」
「そうか、翔太か。いい名前だな。様子を見ていて、歪みの修正をしているらしいのは分かっていたから、また何処か出会えると思っていたよ」
「そうなんですか」
「そうそう、見た目が好みだし、この前のお礼もまだ貰っていないしね」
そう舌なめずりをするように翔太を見て、エーファは笑う。
え? お礼って、僕どうなっちゃうんだろうと思っていると、気づけば翔太はエーファに腕を掴まれていた。
焦る翔太だが、そこでエーファの背後に迫る黒い影。
「浮気は関心しないな、エーファ」
その声にエーファの動きが止まった。
恐ろしい化け物に遭遇したような、そんな表情に翔太は見えた。
そこでエーファはゆっくりと振り返る。
何かの間違いであってほしいというような表情のエーファが振り返るが、すぐに絶望的なものになる。
「……シルヴァン、何でここにいる」
「エーファが逃げたからに決まっているだろう」
「答えになっていない!」
「そこにいる翔太がお前好みそうだから、あれがいれば出てくるかと思ってね」
「……お前達、こいつを何とかするのを手伝え!」
「「「はーい!」」」
元気よくエーファの部下達が答えて、一斉に襲いかかる。
それを見たシルヴァン王が、
「……全くエーファも含めてお前達も懲りないな」
そう、シルヴァン王は獰猛な笑みを浮かべたのだった。
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