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エーファの部下らしき方々は、シルヴァン王に瞬殺された。
この人こんなに強かったんだと翔太が思っていると、涙目になったエーファが、
「い、嫌だ、来るな……」
「何でそんなに怯える。あれだけ可愛がってやっているのに」
「可愛がる!? 毎日毎日、バコバコバコバコ、このケダモノが。発情期のイヌか! 僕の体のことも考えろ!」
「考えてあれだけにしてやっているんじゃないか」
「……」
「……」
エーファが更に顔を青くして、一歩後ずさる。
手加減されているなんて思っていなかったらしいエーファだから、当然のように思えるのだが、そんなエーファに更にシルヴァン王が、
「だがエーファ、逃げたお前にはお仕置するからな」
「! いう、嫌だ。絶対に嫌だ……」
「別にお前だけが逃げても構わないぞ? 部下を人質にとるからな。その部下がどうなってもかまわないという条件付きだ」
「こ、この……」
悔しそうに呻くエーファにシルヴァン王は笑う。けれどエーファは、
「部下は返してもらう。そしてお前の元には戻れない」
「……どうしてそんなに嫌う」
「だからさっき言ったように、毎日……」
「本当にそれだけか? そんなに俺の事が嫌いなのか?」
そこでシルヴァン王は悲しげにエーファに問いかけた。
翔太はこの人このエーファさんには本気なんだなと思っていると、それはエーファも同様だったらしく、小さく呻いてから、
「別に、そういうわけではないが……」
「でも愛してはいないんだろう?」
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