キツネの嫁入り

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「うう・・・っ」 強い一撃を受けて、 その場に崩れ落ちる。 土や草で顔が汚れるけど、 拭える余裕なんてなかった。 「この野郎!」 頭を蹴られて、一瞬閃光が走る。 腹を殴られて担がれて連れていかれて、 それから殴る蹴るの暴行を受け続けた。 『サキは俺の女だ』 そう言ってたような気がするから、 おそらく一度寝た女の彼氏だと思う。 そういや荒木が言ってたな。 サキ先輩の彼氏はヤバい、だとかなんとか。 確かに、 女寝取られたくらいで複数で一人の男ボコるなんて、ヤバすぎだよな。 つーか、女の方から誘ってきたし。 お前のえっちが下手なんじゃねぇの? 「が、あ・・・っ」 うつ伏せていた背中を全力で踏まれて息が止まる。 ・・・もう、しんどい。 身体がバラバラになりそうだ。 口ん中、すげぇ血の味するし。 「もう二度とサキに手を出さないと言え!」 「・・・・・・っ」 バカじゃねぇの? 言いたくても口が動かせないんだって。 「・・・もっと傷めつけないとわかんねぇみたいだな」 だから、違うって。 つーか、もう、 これ以上はマジで・・・・・・死ぬから。     
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