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ようやく落ち着いた紺に尋ねる。
「ずっと気になってたんだけど、
いつどのタイミングででるの?その耳としっぽ」
「どの・・・?」
「ビビらせたら出るっていうのはわかってるんだけど、
やっぱり動揺したら出るわけ?」
しばらく固まっていた紺が、
考えて考えて答えを出す。
「そう、だと思います」
いや、考えてそれかよ。
「あ、でも俺がボコられてたときも獣になってたじゃん。
あのときも何かしら動揺してたのか?
「・・・えっと、そのときは動揺というよりは」
「いうよりは?」
「遥人さまを守りたいという思いや、怒りや悲しみで」
「なるほどな」
動揺というよりは、感情が高ぶったらって感じだな。
喜怒哀楽とか。
「で、人間でいるのってしんどくない?獣の方が楽だったりしないのか?
だってお前、本当はびゃ・・・白狐、なんだろ?」
「は・・・はい。この姿よりは白狐の方が楽ですね」
「それなのにずっと人間の姿でいるのか?
つーか、親父の部屋で寝てたってことは、寝てる時も人間なんだろ?」
「・・・そうですね」
そうですね、だぁ?
「だーっ、もうお前は、なんでそういうことを早く言わねぇんだよ!」
「も、申し訳ありません」
「1か月以上も我慢しやがって!
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