キツネの嫁入り

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食器を食洗機に入れたところで、 思い足音が聞こえてきた。 ようやく起きたようだな。 姿が見えたところで一喝してやる。 「おっせーんだよ、お前!」 「ひゃっ!」 お、 フサフサのしっぽが見えた。 ひょこっと現した姿。 やっぱり耳もちゃんと生えていた。 申し訳なさそうな顔でリビングに入ってきた紺は、 泣きそうな顔で頭を下げた。 「も、申し訳ありません!」 「・・・親父も勇雅ももう出てったぞ」 「よ、遥人さまは」 「お前が起きてこねぇのに行けるわけねぇだろ」 「す、すみません」 あーあ、 すっかり委縮しちまった。 「あ、あと、その、昨日は・・・」 「ん?」 「あのような失態をしてしまい、その」 「失態?」 どこが失態だよ。 あんなにエロく乱れて可愛く喘いで、 俺の名前呼びながら気持ちいいって泣いてたのに。 「そうだな。お前、すっげぇ乱れっぷりだったもんな。  挙句の果てにイって気を失って白狐になっちまうし」 「す、すみません・・・」 「ちゃんと反省しろよ。  あんな姿を親父に見せるところだったんだぞ」 「は・・・はい」 ああ、すっかり落ち込んじまった。 ちょっといじめすぎたか。 「ところで、朝食食う体力あるのか?」 「え・・・?」     
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