始まり

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ここはとある大学の学生食堂 何故にとあるとした理由は……… 聞いたところで「え?そんな大学あるの?」と言われるレベルの大学だからだ。 それはともかくとして…… さすがに7月にもなると、お天道様から降り注ぐ直射日光が容赦なく降り注ぎ 外を歩く人々の身体を暑くしている……が、ここはエアコンがビシバシと効きまくり非常に快適なのだが、そのぶん環境破壊に自分が手を貸してると思えば痛し痒しの状態だ。 学生達が思い思いに腹を満たしているその中で 「ハァ、やっちまったぜ」とお盆を持ちながらため息をつく学生が一人空席を求めてさ迷っていた。 俺の名前は有田優人(ありたゆうと) この大学(名前は非公開)の3年であり、そろそろ就活しなきゃならん年頃である。 彼がため息をついていたのは空席を探すのを面倒くさがっている訳ではない。 2日前の出来事についてため息を洩らしているのである。 そして空席を求めさ迷っていた所に空いていた席があったのだが…… 「よう、優人。こっち空いてるぜ。由利香もいるけど別にいいだろ?」とイケメンスマイル全開でこちらに手を振って来やがった。 「ゲッ、健太と由利香……」 彼が"ゲッ"と言ったのには理由がある。 大和健太と佐川由利香の二人に出会ったから…… その2人…… 優人の幼なじみであり、優人のよき理解者で恋人同士でもあるのだが 幼なじみと言うよりは悪友に近いかもしれない。 優人自身はこの二人に少々苦手意識がある 「あら?優人。私達と一緒じゃ嫌なの?」 そう言いながら由利香は頬杖をつき綺麗な顔立ちをこちらに向け微笑む。 周りの奴ら(男女共に)は見とれる若しくは憧れる様に見るが俺にとっては "なんか怖いわー、由利香の笑顔" 何か良からぬ事を考えてる顔にしか見えないあの微笑み。 10年という長い付き合いが滲み出るその本性。 マジで嫌っすわ。 「いや、別に嫌なんて事はねぇよ。でも珍しいな?二人して飯食ってるなんてさ」 そう言いながら健太の横に座りまたため息をつく。 別に由利香の横でもよかったがこれでも気を使っているんだよ。 その様子を見ていた由利香は何かピーンと来たのかいつも持ち歩いているバック(トートバッグってのかな?)からノートパソコンを取り出し素早くタイピングするとニヤリと笑いながらパソコンの画面を俺達の方に向けた。 勘の鋭い女……嫌だなぁ 「もしかしてため息の原因ってこれかしら?」 どれどれ……とパソコンの画面を覗き込む健太は見て直ぐに笑いだした。
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